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【197】今週の出走馬(3/20・21) さま(投稿用) 21/3/18(木) 18:03 [未読]

【199】Re:今週の出走馬(3/20・21) ファピアノ 21/3/20(土) 8:28 [未読]
【200】Re:今週の出走馬(3/20・21) さま(投稿用) 21/3/22(月) 19:51 [未読]

【199】Re:今週の出走馬(3/20・21)
 ファピアノ  - 21/3/20(土) 8:28 -
さまさん,出走馬UPありがとうございます

私たちは競走馬とは二度お別れをする運命にあります。一度目は競馬場でお別れをし,そして二度目には永遠のさよならを言わなくてはなりません。今月だけでもネオユニヴァースやジャングルポケットやシーザリオの旅立ちの報を聞いたばかりでしたが,昨日はたった一度きりの特別な訃報を聞くこととなりました。岡田繁幸氏が亡くなられたとのことです。

「名物」と目される人がいます。例えばかつてプロ野球のドラフト会議にはパンチョ伊東という奇妙な髪形(どうみてもかつら)のおじさんがいました。そのユーモラスないでたちとは裏腹に,日本中の耳目を集める会議の司会進行役としてなくてはならない存在でした。あるいは大島渚という映画監督がいました。晩年,TVでの討論番組では誰も作品を知らないのに「カントク」と呼ばれ,そのときどきの「現代日本」を批判しながらときには激高し,ときには闊達に笑い,その着物姿によって風化していく古き日本の残像を人々に見せていました。「あの人なんであそこにいるんだろう」「でもいなきゃ寂しいね」…「名物」とは日常化した異物の別名に他なりません。
私にとって競馬界で見つけた最初の「名物」が岡田繁幸氏でした。競馬を知り始めた頃にはすでに「競馬にすべてを捧げた人」であり,その熱量ゆえに信者を多く持つ人でした。既に時代は社台グループの資本と科学が競馬界・生産界を席巻しており,彼のようなカリスマの生き様に対する視線は少しずつ厳しくなっていました。「マイネル軍団の総帥」といった言葉の響きには,『血統の怪しい安馬を鍛え上げて一獲千金を狙う人たち』に対するからかいや憐れみを含むようになっていましたし,彼が「こいつはダービーを狙うよ。もちろんイギリスのね。」と高らかに吹いたときは,馴染みのないその英文字の血統を調べながら予期される破綻した未来へのネタふりのように聞かれていたのでした。
しかしその一方で,「血統」「馬体」という競馬の世界の2大ロマンを研究し尽くしてきた彼は,どっぷり競馬に浸かった者にとっては軽視できない存在であり続けました。彼が語る血統や馬体の話にはどこか手応えと重量感のある説得力に溢れていたからです。もはや字面のプロフィールや入厩先のようなデータで勝負される現代のPOGにおいても,彼の放つ血統や馬体にまつわる話だけはどこか幻想を纏いながら別格の席を設えられていたように思います。
彼に関する映像でいちばん思い出深いのはグリーンチャンネルの名物番組「競馬場の達人」への出演でした。プロフェッショナルとしてのプライドを賭けた馬券勝負も面白かったのですが,何より感銘を受けたのは彼の挫折の半生の語りでした。彼はもちろん岡田グループを率いてきた成功者です。しかし,彼がすべてを賭けて注いできた情熱が,その10分の1も報われることなく裏切られ続けてきた話は面白くも痛々しい物語でした。そこで彼が愛憎を交えて語るサンデーサイレンスやディープインパクトの話,どれだけ手を差し伸べても届かないダービーへの想い…誠実で孤独な勝負師としての姿がそこにはありました。決して演出上手な番組ではないのですが,いまでもプレスリーのオープニング曲や彼の語りに被せられたゴッドファーザーのテーマ曲を聞くと,岡田氏のことを思い出します。

いま牧場は出産シーズン。そして競馬場はクラシック目前のトライアルシーズン。奇しくも71回目の誕生日に亡くなった岡田氏は,今朝にはどこかの牧場で新しい命を得ているのかもしれません。あるいはクラシックを目前に控えたこの週末に競馬場を見下ろしているかもしれません。ご冥福をお祈りいたします。

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2021年3月20日(土曜)2回中山7日 11R 15時45分
> 第35回フラワーカップ
> 3歳 オープン (国際)牝(特指) 別定 1,800m(芝・右)
> 本賞金 (万円) 1着 3,500 2着 1,400 3着 880 4着 530 5着 350
アビッグチア 牝3 54kg 嶋田 純次
> イズンシーラブリー 牝3 54kg 三浦 皇成 クロクロ (8位)
> エコロデイジー 牝3 54kg 松田 大作
> エトワールマタン 牝3 54kg 内田 博幸
> エンスージアズム 牝3 54kg 岩田 望来 なおくん (9位)
> オレンジフィズ 牝3 54kg 北村 宏司 ちょっぴ (17位)
> グローリアスサルム 牝3 54kg 吉田 豊
> クールキャット 牝3 54kg 横山 典弘 ussy (12位)
> タウゼントシェーン 牝3 54kg 武藤 雅 タウ・ゼロ (10位)
> テリオスマナ 牝3 54kg 大野 拓弥
> フミチャン 牝3 54kg 横山 武史 【外】zef (6位)
> ホウオウイクセル 牝3 54kg 丸田 恭介
> ユーバーレーベン 牝3 54kg 丹内 祐次 クロクロ (18位)
> リフレイム 牝3 54kg 木幡 巧也 タウ・ゼロ (9位)
> ルース 牝3 54kg 石橋 脩 鷹匠 (19位)
> レーヴドゥラプレリ 牝3 54kg 丸山 元気 てぃー (17位)
>

ユーバーレーベンとはドイツ語で「生き残る」という意味だそうです。昨年のオークスは岡田ファミリーが3位までを独占して話題となりました。人気になりそうですが,ここでどんなレースをするのか注目です。

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【200】Re:今週の出走馬(3/20・21)
 さま(投稿用)  - 21/3/22(月) 19:51 -
ファピアノさん、長レスありがとうございます^^

岡田さんの訃報はYahoo Newsではじめて目にしました。
ファピアノさんの話はうんうんと頷けるところが多かったです。

彼はまさに競馬界の「名物」であったし、彼はそのビッグマウス故に「信者」と「アンチ」と生み出す源でもありました。私個人としては、アンチ寄りではあったのですが、話す内容は面白いし、人としてはとても魅力的な人だなと思っていました。

彼の生のインタビューなんかを映像で見るとわかるのですが、とにかく引き込まれます。カリスマですね。冷静な語り口から自分が話す内容を燃料にして徐々にヒートアップして、周りを圧倒する、そんなイメージを持っています。

皆さんも御存知の通り、商売柄もあって著しく誇張して話すことが多く、「あぁまた岡田がなんか言っているよ」と軽口をたたいていた日常が懐かしく、過去のものになったのだなとただただ寂しさを感じてしましますね。

ご冥福をお祈りいたします。

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